オンラインによる服薬指導をやってみて

オンライン服薬指導が始まりました

新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない昨今、薬剤師の仕事にも変化がありました。
中でも2020年4月10日付けで厚労省より出された時限的緩和措置、「オンライン服薬指導」です。
このオンライン服薬指導のメリットは効率よく情報を収集することができることと、人との接触も減らせるところにあります。

しかしその分、より注意深く患者さんの状態を探ることが必要だと感じられます。
前例がないことをやっているわけですから当たり前ではありますが。

いつになったら終わるのか誰にもわからない世界中の危機の最中、このオンライン服薬指導はスタンダードなものになりうると考えています。
私たち薬剤師がきちんとした知識をお届けし、患者さんの安心に繋げられれば幸いです。

オンライン服薬指導のポイント

オンライン服薬指導のポイントは5つあります。
1.保険薬局において、各保険医療機関から処⽅箋情報が届きますので、それに基づいて調剤を実施します。その後、オンライン服薬指導等が可能になるのです。
すると対⾯・オンライン等診療を問わずしてオンライン服薬指導等が行えます。

2.全薬局において、薬剤師が患者、その服薬状況といった情報を得たのち、オンラインによる服薬指導等を正しく⾏えると判断をした場合には、オンライン服薬指導等が可能になります。

3.患者さんに対し初めて調剤した薬剤に関して、患者の服薬アドヒアランス(治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受けること)の低下等を回避し、薬剤の適正使⽤を確保しなければなりません。

4.もしもオンライン服薬指導等が困難だと薬剤師が判断、対⾯による服薬指導へと促すことになっても薬剤師法の「調剤応需義務違反」には当たりません。

5.4⽉10⽇事務連絡に基づき調剤を実施した場合、調剤技術料、薬剤料・特定保険医療材料料を算定できます。
同じくこの事務連絡によってオンライン服薬指導を実施した際、その他の要件を満たすことにより薬剤服⽤歴管理指導料等を算定することができるのです。

処方箋の取り扱いについて

患者さんが薬局にてオンライン服薬指導を希望する場合の処方箋の扱い方も特殊なものがあります。

患者さんの同意を受け医師から、薬局名及び備考欄に「0410対応」と記載された処方箋情報が医療機関よりFAX等で送られてきます。
各薬局ではその情報を「処方箋原本」とみなして調剤等を実施。
また、できる時に医療機関より処方箋原本を取り寄せて、前に入手しておいた処方箋情報とともに保管しておくことが必要です。

オンライン服薬指導の留意点

オンライン服薬指導を行う上で留意しておきたいことは4つあります。

1.薬剤の配送及び服薬状況の把握等における手順といった関わる情報を患者さんに十分に説明します。
また説明をしたという記録も必要です。

2.初めて調剤する薬剤につきましては、以下のことを順守します。
・必要に応じて事前に、薬剤情報提供⽂書等を患者に宛てFAX等により送付
・必要に応じて電話等による⽅法も含めつつ再度服薬指導等を実施
・服⽤期間中に電話等で服薬状況や副作⽤の確認
・服薬状況等の必要な情報を処⽅医にフィードバック

3.もし対面による指導が必要と判断されれば速やかに切り替えます。

4.身分証の提示など、患者のなりすまし防止策も講じましょう。