
薬剤師につきまとう足のむくみと疲労感
薬剤師の仕事は、基本的に立ち仕事です。調剤室でピッキングを行ったり、鑑査のために動き回ったり、投薬カウンターで患者さまとお話ししたりと、勤務時間の大半を立って過ごしています。忙しい日には休憩時間以外ほとんど座れないこともあり、夕方になると足がむくんで靴がきつく感じることも珍しくありません。長年働いていても、この身体的な疲労感にはなかなか慣れないものです。今回は、現役薬剤師として働く私が実践している、日々の疲れを翌日に持ち越さないためのリフレッシュ方法やケアについてお話しします。
湯船に浸かって浮力で身体を休める
若い頃は忙しさにかまけてシャワーだけで済ませてしまうこともありましたが、現在はどんなに遅く帰宅しても、必ず湯船にお湯を張り、入浴する時間を確保するようにしています。立ち仕事で重力の負担がかかり続けた身体にとって、お湯の中の浮力は大きな助けになります。お湯に浸かることで足腰にかかっていた負担が軽減され、筋肉の緊張がほぐれていくのを感じる瞬間は、私にとって至福のひとときです。
また、入浴剤選びも私のささやかな楽しみの一つです。炭酸ガスが出るタイプのものや、保湿効果が高いものなど、その日の気分や疲れ具合によって使い分けています。特にお気に入りは、森林の香りがする入浴剤です。深呼吸をしながら目を閉じると、狭いお風呂場が一瞬で森の中に変わったような気分になり、頭の中のスイッチを仕事モードから休息モードへと切り替えることができます。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで副交感神経が優位になり、その後の睡眠の質も高まっているように感じます。
セルフマッサージでリンパを流す
入浴中や入浴後の体が温まっているタイミングで、足のマッサージを行うのが日課です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身に滞った血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしています。立ち仕事が続くとこのポンプ機能が低下しがちになるため、手を使って下から上へと優しく撫で上げるようにマッサージをします。
以前は力を入れて揉みほぐしていましたが、専門書を読んだ際に、強い刺激はかえって筋肉を傷めたり、防御反応で硬くなったりすることを知りました。それ以来、オイルやクリームをたっぷりと使い、滑りを良くした状態で、痛気持ちいいと感じる程度の手加減で行うようにしています。足の指の間に手の指を入れて広げたり、足首をゆっくりと回したりするだけでも、末端の血流が良くなり、冷えの改善にもつながります。テレビを見ながらや、好きな音楽を聴きながらの「ながらマッサージ」ですが、翌朝の足の軽さがまったく違うため、欠かせない習慣となっています。
香りと睡眠環境で脳の疲れを取る
身体的な疲れだけでなく、調剤過誤を起こさないための集中力維持や、患者さまとのコミュニケーションによる精神的な疲れも薬剤師にはつきものです。脳の疲れを取るために私が重視しているのは、良質な睡眠です。ただ長く眠れば良いというわけではなく、いかに深く眠れるかを意識しています。
そのために取り入れているのが「香り」の力です。寝室にはアロマストーンを置き、ラベンダーやベルガモットなど、リラックス効果があると言われる精油を数滴垂らしています。薬局内は消毒液や薬品の独特なにおいがすることが多いため、自宅では自然由来の優しい香りに包まれることで、気持ちをリセットすることができます。
また、枕の高さやマットレスの硬さにもこだわっています。以前は肩こりがひどく、朝起きた瞬間に首が痛いことがありましたが、寝具専門店で自分に合った枕を計測してもらったところ、嘘のように症状が改善しました。自分に合った寝具で、好きな香りに包まれて眠りにつくことは、明日もまた正確で丁寧な仕事をするための、私なりの重要な投資だと考えています。