かかりつけ薬剤師の役割

かかりつけ薬剤師制度の目的とは?

かかりつけ薬剤師とは、単に医師からの処方箋に基づき調剤、患者さんに手渡すだけでなく、指導や相談をすることによって患者さんの健康を守る存在のことです。
医薬品だけのことではなく、医療面でのエキスパートとしての知見を生かして、介護や健康についてのアドバイスをしたり、患者さんから日常的な健康増進のための質問を受けた時に答えたりすることになります。

そのためには、患者さんとより密なコミュニケーションを取り、対人業務を重視したサービスを提供していくことが重要となります。
こうして、薬剤の相互作用や重複投与のチェック、在宅対応といったサービスを、地域の様々な場所で提供できるようにします。
今までは医療機関のそばに薬局を構える、いわゆる「門前薬局」という状況が強く見られましたが、これからは地域住民に密着した機能を果たすことになります。

また、かかりつけ医と協力して地域医療に貢献する存在として働くのもかかりつけ薬剤師の目的です。
医師との情報交換や処方の提案などを行うことで、より医療の質を向上する手助けができます。

かかりつけ薬剤師の業務内容

かかりつけ薬剤師は、患者さん専属の薬剤師となることを意味します。
そのため、医療機関や他の薬局に対して、かかりつけ薬剤師がいることを知らせる業務を行います。
かかりつけ薬剤師となるためには、患者さんと話し合い同意書を作ってもらうといった手続きも行っていくことになります。

こうした手続きを踏まえて、患者さんが通っている病院の情報を得て、使用している医薬品について一元管理します。
同様に、サプリメントやドラッグストアなどでも購入できる市販薬の使用状況も確かめ、一つのおくすり手帳にまとめることで情報を集約します。
定期的に行う検査の結果もまとめて、健康状況を広い視野で確認できるようにします。
その上で、服薬指導や処方医師とのコミュニケーションを図っていきます。

かかりつけ薬剤師の条件について

かかりつけ薬剤師になるには、まず保険薬剤師という立場で薬局における勤務が3年以上あることが条件となります。
そして、一つの薬局に週32時間以上の勤務をすることも求められます。
この薬局について、すでに1年以上の勤務実績があることも条件となります。
基本的にかかりつけ薬剤師は24時間体制で患者さんに対応しますので、固定された薬局での勤務が必要となるのです。

資格という面では、認定薬剤師を取っていなければなりません。
もう一つの条件として、地域医療の活動に関わっているという点も挙げられています。
この点で明確な指針はありませんが、地域で実施される研修会や講演会、会議などに出席しているなどの実態の見える活動をしていることが条件となります。