私の将来の手本となった両親

女性薬剤師のイラスト

最初から薬剤師を目指しているわけではなかった

私の両親は共に薬剤師です。父は定年を迎えましたが母は今も現役でがんばっています。
兄や弟は薬剤師の道を選ばず、全然違う業種で働いています。私は薬剤師として勤務していますが、最初からその道を目指しているわけではありませんでした。

中学生・高校生の頃は、将来の夢が漠然としていて、何を目指せば良いのか分かりませんでした。
とりあえず家から近い学校に行き、毎日を過ごす日々。父や母からは「薬剤師になれば」と一言も声をかけてもらったことはありません。
「将来は自分の好きな道を選べ」と言われていたので、私も特に何も気にしていませんでした。

父が毎日勉強をしていることを知った

そんな普通の毎日を過ごしていたとき、これからの進路に向けて、学校の先生から将来の夢について問われました。
「将来は何になりたいんだ。両親は薬剤師だろ?その道を目指さないのか」と。正直親の職業に興味を持っていませんでしたが、先生の強い勧めもあり、薬剤師の仕事について聞いてみました。

さっそく薬剤師の仕事について母に聞いてみると、驚いた顔をしつつも、嬉しそうに話をしてくれました。
そのとき初めて知ったのですが、父は私たちが見えないところで、薬の勉強を毎日していたそうです。母の前では「患者さんに最新の情報を届けるのが仕事だろ」と口にしていたとのこと。

父は硬派で多く語らずな人です。そんな父が患者さんと話をしている姿を想像できませんでした。でも、患者さんのために親身になっていることが知れてうれしかったです。
私がそんな思いを巡らせていると、母から「もし薬剤師になるならお母さん応援するよ。お父さんもきっと喜ぶと思う。だけどそんなに甘くない道っていうのは覚えておいて」という言葉をもらいました。

職場の人や患者さんからも愛される母

父からも薬剤師について話を聞いてみると、母の仕事ぶりについて話をしてくれました。
一緒に働いていたときは、周りからの信頼も厚く、色々な人から質問をされていたそう。「●●さん(母の名前)に会いに来たよ」と言う患者さんもいたらしいです。両親が互いに褒め合うところをなかなか見たことがなかったので、この機会は私にとって大きな転機になりました。

2人のように、薬剤師という仕事にプライドを持ち、人の役に立てる環境で働いてみたい…!という気持ちが沸々とわき上がり、薬剤師を目指すことを決意。

薬剤師になるまでは勉強の毎日でしたが、分からないところは夜遅い時間でも両親が教えてくれました。両親のサポートがなければ私は別の道を歩んでいたことでしょう。両親には本当に感謝しかありません。今でも心から尊敬しています。